何事にも賛否両論いろんな意見がありますが、特に戦争映画というのはデリケートなテーマの一つですね。
私は断固として戦争反対ですが、過去に起きた戦争については肯定も否定もしません。
戦争映画については、正しいとか間違っているとかなく、史実(に基づく物語)を淡々と描いているものがいい作品だと思っています。
2013年12月に公開された映画「永遠の0」は、物語感は強いものの、普通にいい映画だと思いました。
しかし、「戦争や特攻を美化している」といった批判も多く、宮崎駿氏や井筒和幸氏などの著名人も痛烈に酷評。
「永遠の0」はどうしてこうも批判されるのか、その理由を探ってみました。
♡♡目次♡♡
「永遠の0」のキャストとあらすじ
原作は百田尚樹氏(@hyakutanaoki)の同名小説。
「探偵!ナイトスクープ」のチーフ構成作家であり、2006年に「永遠の0」で小説家デビュー。
じわじわと販売部数を伸ばし、2012年10月には100万部を突破。映画が公開された2013年12月には300万部を突破する大ヒットとなりました。
満を持して映画化されたわけですが、主演の岡田准一さんを筆頭に、三浦春馬さん、井上真央さん、吹石一恵さんなど豪華キャストを起用。
映画も大ヒットとなり、2014年邦画興行収入第1位を記録しています。
「永遠の0」のキャスト
- 宮部久蔵(岡田准一):航空隊の教官であったが、終戦間際に自ら特攻に志願する。
- 大石賢一郎(夏八木勲):宮部の元教え子。戦後、宮部の妻と結婚する。
- 大石松乃(井上真央):宮部の妻。戦後、大石賢一郎と再婚する。
- 佐伯健太郎(三浦春馬):賢一郎の孫。松乃の葬儀で実の祖父の存在を知る。
- 佐伯慶子(吹石一恵):健太郎の姉。健太郎とともに実の祖父の調査を始める。
「永遠の0」のあらすじ(ネタバレなし)
ある日、祖母の葬儀に参列した佐伯健太郎と姉の慶子は、祖父の賢一郎から実は血縁関係がないことを告白される。
血のつながりのある実の祖父は宮部久蔵という人で、太平洋戦争で特攻により戦死したという。
久蔵のことを調べ始めた健太郎と慶子は、元戦友から「久蔵はゼロ戦の凄腕パイロットであったが、生きることに強く執着する臆病者であった」と聞かされる。
「娘に会うまで絶対に死なない」と約束していた宮部が、なぜ自ら特攻に志願したのか。
戦後60年の時を経て、驚きの事実が明らかになる。
「永遠の0」は嘘八百?戦争賛美?宮崎駿氏も痛烈批判
永遠の0は、小説が300万部、映画は2014年邦画興行収入第1位と大ヒット。
第38回日本アカデミー賞最優秀作品賞も受賞しています。
それだけ評価の高い作品なのですが、「戦争や特攻を美化している」とか「極右思想につながる」なんて批判も。
あの宮崎駿氏も、「嘘八百」と痛烈に批判しています。
「今、零戦の映画企画があるらしいですけど、それは嘘八百を書いた架空戦記を基にして、零戦の物語をつくろうとしてるんです。神話の捏造をまだ続けようとしている。『零戦で誇りを持とう』とかね。それが僕は頭にきてたんです。子供の頃からずーっと!」
「相変わらずバカがいっぱい出てきて、零戦がどうのこうのって幻影を撒き散らしたりね。戦艦大和もそうです。負けた戦争なのに」
2013年8月19日に発売された映画雑誌「CUT」のインタビューで語ったそうですが、まあなんとも大人気ないというか、言葉遣いが幼稚ですよね。。。
さらに、あんまり興味はないかもしれませんが、井筒和幸氏もこのように批判しています。
「見たことを記憶から消したくなる映画」
この人は何でも批判したがりますけど、この人の意見に同調する人っているんですかね。
私はこういう批判したがりな人が大嫌いです。
「永遠の0」への批判に対する百田尚樹氏の反応
小説と映画の成功に反して、様々な著名人から批判を浴びた百田尚樹氏。
もちろんこのまま黙っているわけもなく、Twitterでこのようにコメントしています。
なら、そのまま記憶をゼロにして、何も喋るなよ(^ー^)
【 エンタメ速報! : 井筒監督、映画『永遠の0』を強烈批判。「観た記憶をゼロにしたい」】 http://t.co/rqcTPfsemm— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) 2014年1月20日
宮崎駿監督が『永遠の0』を批判したという記事がネットに載って、Twitterの中のアンチ百田たちがおおはしゃぎ。リツィートの嵐。そこまで嬉しいか(^-^;
— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) 2013年9月25日
『永遠の0』はつくづく可哀想な作品と思う。文学好きからはラノベとバカにされ、軍事オタクからはパクリと言われ、右翼からは軍の上層部批判を怒られ、左翼からは戦争賛美と非難され、宮崎駿監督からは捏造となじられ、自虐思想の人たちからは、作者がネトウヨ認定される。まさに全方向から集中砲火。
— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) 2013年9月25日
百田尚樹氏の方が一枚上手ですね。
宮崎駿氏はなぜ「永遠の0」を酷評したのか
井筒和幸氏はどうでもいいとして、宮崎駿氏はなぜ「永遠の0」を酷評したのでしょうか。
宮崎駿氏が受けていたインタビューは、「永遠の0」が公開される少し前、2013年7月に公開された「風立ちぬ」について語ったものでした。
「風立ちぬ」は、ゼロ戦の設計者である堀越二郎氏をモデルにした映画。
「永遠の0」はゼロ戦のパイロットが主人公ですから、ちょっと被るんですね。
で、「風立ちぬ」についてのインタビューなのに、なぜ宮崎駿氏がわざわざ「永遠の0」を批判したのか、ジャーナリストの山本宗補氏はこのような推測しています。
「宮崎があえてインタビューで『永遠の0』批判を繰り出したのは、戦争を肯定する百田と一緒にされるのが耐えられなかったのかもしれない」→一読のおススメ→宮崎駿、『風立ちぬ』と同じ百田尚樹の零戦映画を酷評「嘘八百」「神話捏造」 http://t.co/YuzkAVuJlf
— 山本宗補 (@asama888) 2013年12月20日
しかし、これに対して百田尚樹氏はTwitterで以下のように反論。
戦争を肯定したことは一度もない。安久井ある印象操作をする人間がいるから困る→ RT @asama888: 「宮崎があえてインタビューで『永遠の0』批判を繰り出したのは、戦争を肯定する百田と一緒にされるのが耐えられなかったのかもしれない」
— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) 2013年12月20日
まあ真相はわかりませんが、結局のところ、宮崎駿氏は「永遠の0」の成功に嫉妬してたんじゃないでしょうか。
はっきり言って「風立ちぬ」は全然面白くなかったですし、それこそ「見たことを記憶から消したくなる映画」というか、そもそも記憶に残りませんでした。
宮崎駿氏は「風立ちぬ」を最後に長編映画監督からの引退を表明。
2017年に引退撤回して復帰したんですが、そろそろもういいんじゃないかなって思います。
「永遠の0」のドラマもおすすめ
「永遠の0」はテレビドラマでも放送されており、「Hulu(フールー)」で見ることができます。
向井理さんが主演の久蔵役で、桐谷健太さん、広末涼子さん、多部未華子さんなどドラマ版も豪華キャスト。
Hulu(フールー)は2週間無料でお試しできますので、ぜひこの機会に「永遠の0」をご覧ください。